【ブログ】小満の候 - 麦秋至（むぎのときいたる）の実りの季節に
■ 2025/05/31（土) 【ブログ】小満の候 - 麦秋至（むぎのときいたる）の実りの季節に
五月も最後の日を迎えました。
七十二候の一つ「麦秋至（むぎのときいたる）」は、麦の穂が黄金色に輝き始める頃。
田園風景が美しく色づくこの季節は、一年の実りが形になり始める喜びの時です。
私たちもまた、次の節句に向けた「実り」のための準備に励んでいます。
実りの季節と人形作りの共通点
麦が実り、黄金色に輝くこの季節。農家の方々が一年の糧を収穫するように、私たち人形師も端午の節句を終え、新たな創作サイクルの始まりを迎えています。
麦が一粒の種から芽吹き、寒さを耐え、やがて黄金の穂へと成長する過程は、一本の木から彫り出される人形の誕生にも似ています。素材の持つ命を活かし、少しずつ形を整え、最後は美しい色彩で仕上げる。自然の恵みと人の技が融合する、日本の伝統工芸の姿がそこにあります。
麦が天候の変化に耐えながら成長するように、人形作りもまた、時代の変化に対応しながら伝統を守り続けています。岩槻の地で育まれた技術と感性を大切に、次の世代へと伝えていくことが私たちの使命です。
節句文化の豊かな実り
小満から芒種へと移り変わる季節、麦の黄金色が私たちに豊かな実りを約束するように、節句人形もまた、日本の家庭に幸せと文化の豊かさをもたらします。
雛人形や五月人形は、ただの飾りではなく、子どもの健やかな成長を願う親心の表れであり、日本の四季と共に歩む暮らしの知恵でもあります。その大切な文化を、これからも丁寧に紡いでいきたいと思います。
麦秋至の季節、皆様のご家庭にも豊かな実りがありますように。そして、次の節句には、また素晴らしい人形たちとの出会いがありますように。
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